わたしの一足
今週のお題「わたしの一足」
小学生の頃、富士山へ行った。
学校の行事で、途中まではバスであがりそこからしばらく歩くというもの。
事前に、服装についてプリントが配られた。
「靴は、はきなれた靴をはくこと」
私にとって「はきなれた靴」というのは、こんな靴だった(名前がわからない)
靴ひものない、子供用の絵柄が印刷されている、するっと履ける靴。
持っていた中で一番履いていたので、「はきなれた靴」だった。
でも、山だよね。これでいいんだろうか。
「富士山」というキーワードに多少不安を感じたが、新しく登山用の靴を買ったとしても「はきなれた靴」の定義から外れてしまう。親も何も言わなかったので、そのまま参加した。
超ショックだった!
周囲の子供はしっかり紐で結ぶ靴ばかり!
足元は小さな小石が無数にあって、歩くたびにひやっとする。するっと履ける靴は、かかとが外れやすい。歩くすぐ横は斜面で、うっかり脱げでもしたら簡単に滑り落ちて行くだろうこと、想像できた。いきおい、視線は常に下向き。
富士山の印象≒靴と小石
少し苦い経験になった、子供の頃の「わたしの一足」。