映画「エアポート2015」を観た
大空港シリーズの最新作かな、と思って鑑賞した。「エアポート2015(原題Flight World War II)」
なにか違う気がしたけれど、面白かった。かなりドキドキ、手に力が入った。
なんていうか、遊園地のお化け屋敷っぽいイメージ。
作り物と分かっていながら本気で怖がろうとしちゃう感じです。
こういう映画も、いいなあ。
以下、内容に触れます。
- 出版社/メーカー: アルバトロス
- 発売日: 2015/09/02
- メディア: DVD
- この商品を含むブログを見る
この作品に好感を持った理由
理由ふたつ。
「登場人物がみんな素直であること」そして「余計な人間関係が無いこと」。
「登場人物がみんな素直であること」
見ていて気持ちがいい。自分の意見を主張しても、それよりも道理である事実を提示されれば納得して行動する。パニック映画で時々ある、頑固に自分勝手な振る舞いをしたあげく自滅 or 他人巻き添えという残念な人パターンは無い。アレ、結構ストレス感じてしまいます(´・ω・`)
「余計な人間関係が無いこと」
友人(らしい)、恋人(らしい)は出てくるけれど、本筋とは関係の無い物語は入らない。それらの愛憎表現を過剰に盛った「さあここで泣きましょう、感動しましょう」という誘導は皆無。そのおかげで、話の筋、物語の不思議さだけに集中できた。
作品について
現代の民間航空会社の旅客機が遭遇するタイムスリップ。有名な魔のバミューダ海域と組み合わせて「IF」の世界を描いている。
「もし、消息を絶った旅客機が時空を超えていたとしたら」
その理由は。目的は。
劇中で、過去の世界は、自分たちの知る歴史と異なっていた。その意味は。
タイムスリップした航空機は、過去に生きる年若い通信兵の助けと、機上の人々の協力により窮地を脱し、目的を達成した後、現代に戻ることができる。
戦闘(逃走)あり、爆発あり、燃料切れでのランディングありと軽めの表現ながら飛行機もので欲しいシーンは押さえてあった。
何もかも納得する映画だったのか
そういうわけでもない。
エコノミークラスの位置、機材に対して少ない搭乗人数、気圧の差と酸素マスク、命綱つけようよ、壊れない落下物、前線基地の体制……などなど「あれ、なんで?」「これ、どうなってるの?」という疑問やツッコミは常にあった。
でも、それが冒頭に書いた「お化け屋敷感」を醸し出しておりある種「安心して怖がること」ができる環境を作り出していた。
映画の中で、最たる「?」
物語終盤。機体に穴が空き、2名の乗客が吸い出されてしまったこと。そして、それにもかかわらず乗客も乗務員も気に留めていないこと。
鑑賞直後は、前述の疑問・ツッコミが続いた結果の「なんとなく事故っぽい絵が撮りたかっただけ」シーンかなと思っていた。
でも、もしかして
あの2名、帰ってきた現代には「存在しない人」だから過去の世界に置いていかれちゃったんでしょうか。
映画では、自分たちが出発した現代から、史実が異なる過去への移動がなされています。では、戻った先は本当に自分たちが来た現代と同じ世界だったのでしょうか。
過去の歴史が変われば、未来も変わってしまう。
消えた2名を誰も気に留めていないのは、現代に帰ってきた時点で記憶の改変がなされていた……? 新しく作られた未来に合致する記憶に。
そう考えると、ホラー要素のあるSF映画だったのかも。
見ている間は「わーわー」「ひゃー、きゃー」と面白びっくり楽しんでいたけれど。
もう一回見直しておこうか。
なお、何度も「お化け屋敷」発言をしたけれど、作品にお化けは出てきません。
この作品が最も近いのは、脱出ゲームかもしれない。