笑点
子どもの頃とても好きだった番組の、笑点。
大喜利のコーナーでの答えに感心したり笑ったり。回答者同士でのやり取りもさることながら、司会者に向けた一見痛烈な言葉さえ予定調和で安心して見ていることができた。
言いたいことを言い合って、やりこめてやりこめられて、だけど出演者たちは次の瞬間前を向き、新しい笑いを客席へ届ける。
どんな辛辣な言葉も相手を苦しめるためのものではなく、エンターテイメントとしての技のひとつになっていた。
タフに、真剣に、ひとつのチームとして番組を成功させることに集中している職人たちの集団、そんな風に感じていた。
大人になるにつれ、本放送を待つことも録画で後からという時間もなくなっていったが、たまに見ることができるととてもうれしかった。遠くにいる家族の日常を目にしているようで、懐かしさと安心感で満たされた。
私はどこの土地に対しても「故郷」という感覚を持っていないのだが、この笑点という番組に対して抱いている感情は、もしかしたら「ふるさと」なのかもしれないなと思う。
いつまでもそこにあって欲しい存在、変わらぬ姿に出会いたい存在。
(写真は以前購入したオフィシャルブック)
歌丸師匠笑点引退の記事を見、自分にとっての笑点の存在を思いました。
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