百人一首の日
今日は「百人一首の日」らしいと、知った。
おおー、百人一首の日。記念日があったんだ。
嬉しくなって探してみたけれど、誰がいつ制定した記念日なのかわからない……よく、関連の団体が申請→認定のニュースを聞くのでそういうもののひとつかなと思ったのだけど。(例:江崎グリコ(株)が申請→11月11日はポッキー&プリッツの日→日本記念日協会が認定)
いつ決められたのか、誰が決めたのか見つけることができなかった。
百人一首については藤原定家が書いた明月記に書いてあるようなのだけど、肝心の明月記はまだ読んでいない。
とはいえ、せっかくなので私の百人一首についてあれこれを。
(画像は保管してあった記事に関連する品。百人一首好きなんです)
きっかけは坊主めくり
という人も多いと思う、小さなころになじんだ坊主めくり。
百人一首の文字がよめなくても、漢字がわからなくても、絵を見れば遊ぶことができる。
絵札をよく混ぜてから裏向きにして積みあげ、参加者が上から順番に引いていく遊びだ。山札がなくなった時点で手持ちの札を多く持っている人が勝ち。
- 若様(男性の絵が描かれている札)が出たら、そのままゲット。
- 姫様(女性の絵が描かれている札)が出たら、さらにもう一枚引ける。or 場に捨てられた札をすべてもらえる。
- 坊主(袈裟をきたつるつる頭の人の札)が出たら、それまでゲットしていた札を全部捨てる。
この三つのルールに沿って手札の増減があった。
あと、後ろを向いていて顔が見えない札についても特別ルールがあったような気がするが、思い出せない。(引き当てて「やったー(*´▽`*)」と思った記憶がある)
似てはいるのにすべて違う札であることに、トレーディングカード的な価値を感じていて、いいなあ、欲しいなあと思っていた。(自宅には無かったので、友達か親戚の家で遊んでいたのだと思う)
うた恋い。
ぐーっと時間が過ぎて2010年。書店で見つけた一冊の本。
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光沢のある表紙と色使いが、周囲に並んだ本から浮き出ているようで目に留まった。はじめて見る「うた恋い。」の文字、そして「超訳百人一首」という名称。
帯にある
口コミ動画再生550万(累計)!!
WEBの超人気作家、待望のデビュー!!
の言葉に、それほど求められている作家さんの作品なら一度読んでみようかしらとレジに向かった。
ハマった。
そもそも、百人一首を授業で習ったあたりでは札の読み方と固い現代語訳、そしてどれだけ暗記できるかに焦点が置かれ、「昔の人の話だし。親近感持てないし」というもやっとした印象だった。
ところが。
杉田圭さんの描く「うた恋い。」の世界は、まるで自分自身のことのようにどの歌も受け取れた。
もちろん、登場人物それぞれが現代人のように話し動くからという部分もあるけれど、言葉遣いや振る舞いが異なっても人の気持ちは変わらないのだと感じた。1000年の昔も、1000年後の今も。
そう思えるようになったのは、物事には白黒だけではなく混ざり合ったグレーという色があり、沈んだ灰色でもあれば美しく輝くプラチナにもなることを長い年月の間に学んだからかもしれない。子供の頃では受け取れなかった「もやもやした部分」を実感するには、時間が必要だったのだと思う。丁度よい時間が経ったときに、必要な本に出合えた。
この「うた恋。」を読んだことがきっかけで、歌碑巡りに興味を抱いたりさらに別の本を読んだりした。
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大石天狗堂
自分専用の百人一首が欲しくなった。小さい頃にあこがれた、あのカードをわが手中に。
ネットで見ても、あまり絵柄がわからない。どうしよう。そうだ、お店に行って買えばいいじゃない。そのような理由で京都は伏見へ向かい、大石天狗堂で小型の百人一首「小町」を選んだ。
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通常のカルタの半分の大きさ。その小ささが愛らしい。小さいがしっかりした作りで、手にもなじむ。
眺めるだけでなく遊ぶとなると札を並べるスペースが気になるが、この大きさなら安心だった。保管場所も小さくて済む。いいことづくめだが、カルタ取りとして遊ぶには読み上げる役が必要で、私は読み上げてくれるCDを持っていなかった。
結果、私はこの小さな百人一首を鑑賞用として楽しむこととなった。
時雨殿
小倉百人一首殿堂。かつて、任天堂の百人一首デジタルテーマパークと称してもいいような施設だったが、2011年4月に休館してしまった。(再オープン後は、任天堂では無くデジタル色も無い時雨殿に変わった)
私が訪れたのは休館前の、時雨殿。当時撮った写真は消えてしまったのだが、パンフレットから施設の様子をいくつか。
広い床の上はデジタルスクリーン。映し出されるものによって楽しみ方も変わった。
左下は京都市街の航空写真で、眺め歩いたり知りたい施設まで案内してもらったりできた。任天堂本社ではマリオが出てきたような記憶がある。コインコイン。
右上は大きな百人一首が並べられた画像で、貸し出された「時雨殿なび」に現れる札と同じものを探して見つけ取る、その場にいる大人も子供も、あれか、これかと動いては笑顔になっていた。
壁に沿った和歌のパネルでは、それぞれに書かれた歌の朗詠と解説の仕掛けが。ひとつの部屋だけで随分と凝った作りになっていることに、「任天堂すごいー」と思った。
百人一首に関するクイズゲームも面白かったが、なんといっても夢中になったのがこれ、「体感かるた五番勝負」だった。
絵が屏風から抜け出して生身の歌人となり、かるた取りの対戦ができるというもの。
順調に勝ち進んでいくと、最後は藤原定家と勝負できる。彼のキャラクターはかなり個性的で強烈。対戦の面白さが忘れられず「またやりたいなあ、でももう無いしなあ」と思い出しては残念に思っていた。
DS時雨殿
そして今年、私は3DSを入手した。
何気なくソフトを探しているときに、思い出し、見つけた。
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「かるた五番勝負」。画面は小さくなったがその様子は変わらず。懐かしい面々。
早速遊んで初っ端から敗退した。どうやら身を入れて百人一首に取り組む必要があるようだ。めざせ定家(との、勝負)。
その他にも、百人一首の記憶術のような遊びや対戦用のかるた読み上げ、京都案内もはいっていてちょっとした気分転換に使える盛りだくさんなソフトだった。
猿丸神社
冒頭の画像にある絵馬は、猿丸神社のもの。いかにも百人一首らしい絵柄に奉納せず持ち帰った。
特に百人一首目的に社寺を訪れているわけではないのだが、ゆかりのある地だとやっぱり嬉しくなる。
思いつくのは菅家の天満宮、天智天皇の近江神宮、石山寺には紫式部だし、貴船神社へは和泉式部がお参りに行っている。
まだたくさんあるゆかりの地、よきタイミングで出会えることを楽しみに(*´▽`*)
その前に定家の明月記、そして「猿丸大夫が墓」と記載のあるらしい方丈記も読まなくては……。
DS時雨殿使ってカルタ取り遊びもしたい……。
というか「うた恋い。5」の発売を夢みる~……。